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ひふ科

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子供のスキンケアChild skincare

一般的に子どもは大人より皮膚の状態が良いと思われがちですが、実は生後3~4ヶ月から思春期までの子供の皮膚は、皮脂の分泌がとても少なく乾燥しています。

乾燥を防ぎ皮膚のバリア機能を正常に保つために大切なスキンケアは「優しく洗う」+「たっぷり保湿」です。

汗をかいたらシャワーで流し、刺激の少ない石鹸をよく泡立てて、手や綿のタオルで優しく洗い、よくすすぎましょう。入浴後は水分を優しくふき取り、保湿剤は5分以内に塗りましょう。

保湿剤を塗布しても角質水分量は時間とともに低下します。1日1回よりも1日2回(朝・夜)が効果的です。乾燥が強ければ何度塗りなおしても構いません。

皮膚が乾燥していると、外部からの刺激を受け痒みを感じます。掻いてしまうとその刺激によりさらに痒みが増し、また掻いてしまう・・・という悪循環になってしまいます。

人差し指の第一関節までチューブから出した量が、大人の手のひら2枚分です。

「ティッシュ1枚が張り付く程度」「お肌テカテカ」を目指して優しく塗布しましょう。塗布する際に伸ばしすぎて、皮膚を擦る刺激でかゆみが出る場合もあり注意しましょう。

当院で処方する外用には、症状によりステロイド剤と保湿剤を混合したものが処方されることがあります。保湿剤を混合することでステロイド剤の効果が高まると考えられており、より少ない量で効果が期待できます。「ステロイドはこわいから…」と少なめに塗布するのではなく、少し広めに塗布しましょう。

また、かゆみがなくなったから保湿剤を中止するのではなく、かゆみや乾燥が出現しないためにも保湿剤の継続は必要です。

どんなに良い保湿剤でも、実際に塗布しなければ効果は出現しません。

当院で処方する保湿剤はローションやスプレー剤・乳液状・泡状・クリーム剤などの剤形があり、家族や本人がぬりやすい保湿剤を選ぶとよいでしょう。

おむつ皮膚炎Diaper dermatitis

おむつをしているとお尻、陰部は常に湿潤しています。ヌルヌルしている皮膚はちょっとした刺激ではがれます。はがれた皮膚に糞便中の細菌がつくとさらに悪化します。お尻を拭けば拭くほど皮膚が剥がれてしまい「擦りすぎ」がきっかけとなることがほとんどです。
尿便は拭き取るよりも、シャワーやぬるま湯で優しく洗い水分を拭き取って下さい。

赤いポツポツが徐々に広がってくると「カンジダ」というカビの一種が繁殖する場合があります。カンジダはヒトの消化管などに「定住」するものです。増悪した場合にはカンジダの外用治療薬を使用します。受診せずに間違った治療をするとさらに悪化する場合もあります。

ステロイド薬の外用は・・・
乳幼児の陰部周辺の皮膚はとても薬剤の吸収がよく、ステロイド外用を長期間続けると皮膚が萎縮(弱くなる)することがあります。ステロイド外用は悪くなった時の一時使用にとどめ、その後「擦りすぎ」に注意しながら保護剤に変更するとよいでしょう。

毛虫(毒蛾)皮膚炎Caterpillar dermatitis

毛虫にさわっていないのに・・・
チャドクガなどの毛虫には毒針が無数にあります。毛虫(毒蛾)皮膚炎はその毒針が皮膚に突き刺さって起こる猛烈な虫刺されです。毒蛾の幼虫、メスの成虫が毒針を持っています。1匹につき、50万本以上あると言われています。1本の針は長さ0.1mmで肉眼では見えません。毒蛾の体表面にある「黒い部分」に毒針は密集しています。毒針はチャドクガの武器であり、周囲に向かってばらまかれます。公園などで風下にいると、この毒針がシャツの中、下着の中まで入り込んできます。また、干してある洗濯物にも付着して人間の皮膚を襲います。
毒針はしばらくして自然に抜け落ちてしまうとされています。

特徴は猛烈な痒みと独特な「ブツブツ」で、赤い虫刺されが集合した状態です。数日後に発疹が出現することや症状が数週間持続することもあります。

治療はステロイドの塗り薬を使います。痒みが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服と外用を併用します。

生活上の注意
チャドクガの発生する季節は毎年5月と8月です。この時期、特に雨上がりなどに戸外での作業をしていると刺されます。外出時にチャドクガを見たら、帰宅後シャワーを浴びたほうがよいでしょう。洗濯物を取り入れる時はよくはたきましょう。

水虫(白癬)Water boatman

水虫は、白癬菌というカビによる感染症です。
症状がある皮膚や爪の一部を、顕微鏡で検査します。
水疱や皮剥け・かゆみ、爪の肥厚や変形など気になる症状があれば、見た目による自己判断で市販薬の治療をはじめる前に、きちんとした診断を受けましょう。
※市販の水虫薬を塗布していると検査時に菌が検出されない場合もあります。

治療は抗真菌薬

足水虫にはぬり薬(クリーム剤、液剤、軟膏剤)、爪水虫にはぬり薬や飲み薬で治療します。塗り薬だけでは治りにくい角質増殖型には飲み薬が処方されることもあります。

・症状が治まっても白癬菌は生き続けていることがあるため、医師の指示に従い、根気よく2ヶ月程度はぬり続けましょう。
・白癬菌は症状のない場所にもひそんでいることが多いので、両足の指間と足の裏全体にぬりましょう。
・入浴後にぬると、お薬が浸透しやすく効果的です。

お薬をぬっても症状がよくならない場合や、かえって悪化した場合は受診しましょう。お薬が合わない場合があります。

水虫対策のポイント

足の指の間は傷つけないように、石けんで洗いましょう。
・洗った後は水分をしっかりふき取り、よく乾燥させましょう。
・靴や靴下は通気性のよいものを選び、毎日同じ靴をはかないようにしましょう。
・靴下を履きかえるのも効果的です、5本指の靴下を履くのもよいでしょう。
・足ふきマット、スリッパの共用はできるだけやめましょう。
・家族に同じような症状の人がいたら、一緒に治療しましょう。

■プールやレジャーでの感染予防も大切です
プールやレジャー施設、温泉などで足ふきマットを使った後は、もう一度自分のタオルで足をふきましょう。

水いぼ(伝染性軟属腫)Water wart

水いぼとは軟属腫ウイルスによる皮膚の小さなブツブツです。主として免疫力の弱い幼児、小学校低学年の皮膚のバリア機能が弱い子供に発症しやすくなります。 登園・登校は可能で8ヶ月程度で自然に消失すると言われていますが、小学校高学年までは新しくできたり消えたりを繰り返します。

プールや浴槽の水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし肌の接触やビート板など体に触れるものを介してうつることはあります。保育園や幼稚園・スイミングスクールではプールに入れないなどの「独自の基準」を設けている場合もあるようです。

当院での治療

1.保湿剤の塗布

肌が乾燥しているとかゆみが出現し、掻くことで水いぼが広がります。広がり予防のために保湿剤を塗布し、しっかり保湿をしましょう

2.除去

ご家族が除去を希望された場合のみ除去します。積極的な治療はお勧めしておりません。
自宅にて麻酔テープを1時間半ほど貼り、来院後特殊なピンセットで取り除きます。麻酔テープの購入が必要です。

3.クリーム軟膏塗布

抗菌作用がある銀イオンと保湿成分・抗炎症作用も報告されているサクラン配合のクリーム軟膏購入も可能です。
2か月ほどの塗布が必要です。

3A M-BFクリーム 1本 15g ¥2.000- +税

とびひ(伝染性膿痂疹)Impetigo

とびひとは

「とびひ」とは、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった名前の細菌が原因でおこる皮膚の感染症のひとつです。
虫さされやあせも、かき傷、すり傷や湿疹などに細菌が入りこんでおこります。
これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが、皮膚の抵抗力が弱くなっていると感染していまいます。
顔や手足にかゆみをともなう水ぶくれができ、それが破れてやけどの様な湿疹が、ほかの場所やほかのこどもにつぎつぎに“飛び火”してどんどん広がっていくことからこう呼ばれています。
以前は、こどもに夏の間にしか見られませんでしたが、最近ではエアコンや温水プールの普及により、年中見られるようになりました。
また、少数ですが大人にも「とびひ」が見受けられるようになりました。
レンサ球菌が原因の場合には、熱が出ることもあります。

治療には抗生物質が効果的です。
「とびひ」かな?と思ったら、早めに受診しましょう。
自宅では、ジュクジュクした部分を石けんでキレイに洗い、抗生物質の入ったぬり薬をぬります。
お薬には、塗り薬のほか、抗生物質の飲み薬を併用することもあります。
掻くことによってほかの場所にうつるのを防ぐために、かゆみ止めの抗ヒスタミン剤が使われることもあります。

イボ(疣贅)Wart

ヒト乳頭腫ウイルスによる硬い丘疹です。皮膚の小さな傷から侵入すると考えられています。主として幼児、児童などに発症しますが、大人にも発症します。顔などにできると大変治りにくい「扁平疣贅」という状態になります。
さかむけや手あれ・不必要にイボをいじる事は大きくなる原因となります。
日常生活で簡単にはうつりませんが、家族間ではうつりやすくなります。数年で免疫ができ治ることもありますが、他の部位にうつり増えていくこともあるため治療をお勧めしております

当院での治療

1.液体窒素(‐196℃)を患部にあてる(細胞を壊していく治療)

当院では2週間ごとに「クライオプロ」というスプレー式の器機でピンポイントに噴霧し治療します。

イボ

治療中も痛みがあり、強くあてると水ぶくれや血豆のように腫れ日常生活や仕事に差し支える場合もあります。
治療回数は小さなもので5~6回程度、大きいものでは10回以上かかります。
治療部位が色ジミ(色素沈着)として残ることもあります。時間の経過とともに少しずつ薄くなっていきますが、数か月以上かかり、しみとして残ることもあります。

2.ヨクイニンの漢方薬内服

(=はと麦茶の飲用でも可)~3か月ほどは継続して内服しましょう。

3.外用薬の使用

~2回/日塗りましょう。

4.レーザーにて焼却

局所麻酔の注射と2週間程度の絆創膏が必要です。効果は高いが再発する可能性もあります。
※年齢・持病・部位などにより治療できない場合もあります。

5.スピール膏使用

小さくカットして貼り数日毎に交換します。ずれたり大きく貼りすぎると痛みが強くなります。

治療期間が長期にわたることも多いため、1.2.3.の併用治療をお勧めしております。

赤あざCaterpillar dermatitis

血管腫(赤あざ)とは
赤あざは「血管腫(血管奇形)」と呼ばれる血管の異常で、血管が拡張したり増殖したりすることによってできる良性腫瘍です。
生来ある赤あざには大きく分けて、出生時から大きさの変わらない「血管奇形>単純性血管腫」と次第に大きくなる「血管腫>乳児血管腫」の2種類があります。
単純性血管腫(平坦な赤あざ)
生まれつきある平坦な赤いあざです。大人になっても自然に消えることなくはありません。
また、成長とともにからだが大きくなるのに比例してあざの面積も拡大します。
治療としては、早期のレーザー治療を行います。特殊な例ですが、からだの他の部分にも症状を持つこともあり、CTやMRIなどの検査をして合併症を調べる事もあります。
乳児血管腫(いちご状の赤あざ)
生まれて数日~数週間後から除去に出現する、皮膚から盛り上がるタイプの赤あざです。赤あざは1歳頃に大きさのピークを迎え、その後5~10歳で自然消退すると言われ、大きさも様々です。
治療しなくても自然に赤みが引くことから、以前は特に治療を行わず経過観察のみを行うことが多かった疾患です。
今は自然消退後のたるみやしわが目立つため早期に治療を開始する事が多くなってきています。
この盛り上がってくる時期には内服治療やレーザー治療にて増大を抑える治療を行うことがあります。

当院での治療

当院では生後3カ月以降から色素レーザー=シナジーJにて治療を開始します。
治療のゴールは赤みや隆起を減らす事です。乳幼児は皮膚科薄い為レーザー治療に反応しやすく早期に赤みを減らすことが期待できます
治療開始が早いほど治療回数が少なくなり、1~3カ月ごとに治療を繰り返します。
血管腫の種類や経過によっては、宮崎大学医学部付属病院などに画像検査や内服治療を依頼させていただくことがあります。

にきびAcne

尋常性ざ瘡という皮膚の病気です。毛穴に皮脂がつまり、ニキビの原因となるアクネ菌が増えることによって、炎症や膿が溜まった状態を言います。最近は治療方法が進み早期の状態から治療できる薬剤が増えました。
ニキビ痕を残さないためにもなるべく早く治療を開始しましょう。

初期症状は  毛穴がポツポツ膨らんでいる状態(面皰)

進行すると  アクネ菌が増え赤くなって炎症を起こしている状態(丘疹)

さらに悪化すると  膿が溜まり痛みを伴う状態(膿皰)となります。

治療

治療の効果を感じられるまでの期間は個人差がありますがおよそ3カ月間の集中的な治療を行います。すぐに効果が出なくても早期から適切な治療を行い、ニキビの再発をコントロールすし、ニキビの出来にくい肌に整えていくことがニキビ痕を残さないポイントです。赤ニキビはなくなっても、面皰(コメド)があると再発を繰り返します。短期的ではなく長期的な治療が必要です。

・抗菌薬~アクネ菌に対する抗菌作用や炎症を鎮める作用があります。塗り薬や飲み薬もあります。

・過酸化ベンゾイル(ベピオ)~アクネ菌に対する抗菌作用や、炎症を鎮める作用があります。また、角質を剥がれやすくする作用により、毛穴の詰りをとります。

・過酸化ベンゾイル(ベピオ)と抗菌薬の配合薬(デュアック)~アクネ菌に対する抗菌作用や炎症を鎮める作用、毛穴のつまりを取る作用があります。

・アダパレン(ディフェリン)~毛穴のつまりを抑え、皮脂がたまらないようにします。炎症を鎮める作用もあります。

・アダパレン(ディフェリン)と過酸化ベンゾイル(ベピオ)の配合薬(エピデュオ)~アクネ菌に対する抗菌作用、炎症を鎮める作用、毛穴の詰りを抑える作用があります。

光線治療

・頻度:週1~2回。8回程度継続することをお勧めします(保険適用)。

「スマートラックス」承認医療機器

「スマートラックス」承認医療機器

635+830nmの波長で、光の中でも特に皮膚への到達度が高く、筋肉層にまで到達するのが最大の特徴です。
創傷治癒を促しながら炎症をコントロールすることで、赤ニキビの治癒を促進し、ニキビ痕の色ジミをより速く減らす効果があります。

治療時間:21分(健康保険適応)

※光線治療は完全予約制になっています。
予約時間前に来院し、化粧や日焼け止めを落としてお待ち下さい。
又、時間に遅れると治療が受けられない場合がありますのでご了承下さい。

当院では保険治療を中心に治療を開始しますが、保険治療だけでは十分な効果が得られない場合などは、ピーリングやイオン導入・色素レーザー(シナジーJ®)などの自費治療もお勧めしております。

酒さRosacea

頬や額などの慢性に続く「赤ら顔」のことです。
敏感肌をともなうこともしばしばあります。繰り返す顔の「ほてり」と「発赤」によって発症し、徐々にニキビに似た発疹も出てくることがあります。鼻、あご、額、眉間に症状が出やすく、首から前胸部までほてりがでることもあります。
また症状が長引くと鼻瘤(だんご鼻)を形成することもあります。体調や入浴、飲酒、暖房などにより突然症状が出てしばらく続くのも特徴です。

原因

未だにはっきりしたことはわかっていません。
皮膚の表面の毛包虫感染、末梢血管の拡張、慢性的な化粧品かぶれなどが疑われています。

治療

残念ながら必ず改善できる治療法はまだ存在しません。当院では以下の治療を試してみて、患者さんに合う治療を探す方針とさせていただいております。

1.タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏®)

元来はアトピー性皮膚炎の治療薬ですが、酒さの赤ら顔やかゆみを改善する作用があります。この軟膏だけで症状がコントロールできる方もおられます。残念ですが稀に、赤みやかゆみが強くなってしまう方もおられます。

2.ロゼックスゲル

メトロニダゾールが主成分のロゼックスゲルは、毛包虫(ニキビダニ)の治療薬で酒さ等の赤ら顔の治療にも用いられるお薬です。日本でも保険処方薬に承認されました。 妊娠・授乳中は使用できません。

3.アゼライン酸クリーム(DRZ AZAクリア®) 医療機関専用化粧品 1,800円(税抜)

アゼライン酸は麦類に含まれる成分で、抗酸化作用、メラニン生成抑制(美白作用)、皮脂分泌抑制、毛穴のつまり解消などの作用で赤みを抑えます。効き目は穏やかですが副作用が少なく妊娠・授乳中も使用できるのがメリットです。ニキビにも有効です。

4.抗生物質内服

ニキビ様の皮膚炎、かゆみ、ほてりに効果があります。副作用の少ないニキビ用の抗生物質を2週間ほど内服してもらいます。数ヶ月連用を勧める病院もありますが、当院では症状が再燃した際に内服してもらっています。数種類の抗生剤がありますので、内服していただいて患者さんに合うものを探すようにしています。

5.漢方薬

ニキビや赤ら顔、ほてり向けの漢方薬数種類から、症状に合わせて処方します。患者さんに合う漢方薬を探すのが難しいことや効果が出るのに数ヶ月かかることがあります。

レーザーやLED

・色素レーザー(シナジーJ®)=血管腫や毛細血管拡張症を治療するレーザーです。1~4週に1回のペースで10回程度継続することで赤みを治療します。(自由診療)

・赤色LED(ヒーライト®、スマートラックス)=赤ニキビ(丘疹・膿疱・色素沈着など)と同様に赤ら顔やかゆみを減少させる効果が期待できますが、一部のしゅさの方は、かえって「ほてり」を感じることもあります。

しゅさ様皮膚炎rosacea-like dermatitis

顔のかゆみや炎症に対して、ステロイド軟膏を長期間継続した際にみられる赤ら顔やふきでものをともなう皮膚炎で、「酒さ」に似ています。治療のためにはステロイド外用の休薬が必要で、タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏®)などを使い治療します。

帯状疱疹Shingles

身体の左右のどちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。身体の中に潜んでいたヘルペスウィルスの一種、水痘・帯状疱疹ウィルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
当院では罹患初期には他の皮膚疾患との鑑別が困難な場合にも、水痘・帯状疱疹ウイルスを検出できる迅速診断キットにて診断が可能です。

水ぼうそうと帯状疱疹の関係

・はじめて水痘・帯状疱疹ウィルスに感染したときは、水ぼうそうとして発症します。
・水ぼうそうが治ったあとも、ウィルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。
・加齢やストレス、過労などが引き金となってウィルスに対する免疫力が低下すると、潜んでいたウィルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。

発症年齢

・60歳代を中心に50歳代~70歳代に多く見られる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくありません。
・通常は生涯に1度しか発症せず、免疫が低下している患者様を除くと再発することはまれです。

後遺症

通常皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。

これは急性期の炎症によって、神経に強い損傷が生じたことによって起こり、治療には長期間を要します。症状にあった内服薬の組み合わせで、根気強く治療を継続する必要があります。

熱傷Burn injury

日常生活でもっとも多い外傷が熱傷(やけど)です。
子供はヘアアイロンや蒸気の出る電化製品・実家でのストーブ使用によるやけど、大人は天ぷら油や酔っぱらっての湯たんぽ使用によるやけどが多くなっております。
軽いやけどと思っていても、水ぶくれが出来たり、痛みや腫れ・赤みが長引くことで、想像もしなかった傷あとやひきつれが残ることがあるため早めの受診が必要です。

治療

当院では軟膏や非固着性ガーゼ・創傷被覆材を使用し湿潤療法にて治療します。傷から出る浸出液は自己再生を促す成長因子がたくさん含まれています。
1週間ほどは水疱の皮を取らずに、成長因子を閉じ込めます。
その後は毎日のシャワー洗浄+湿潤療法を繰り返します。
消毒することで正常な細胞を障害する場合があるため、シャワーでしっかり洗い流し清潔に保つことで細菌感染を予防します。
浅いやけどでは2週間以内に改善されますが、湯たんぽやけどは損傷レベルが深く、改善するまでには数か月ほどの治療が必要となります。